【概要】
8月から引き続きダイマ禁止の竜王戦ルール、シーズン22。今期もレート1800を超えることができて満足。今月の構築は先月からの環境変化に対応したものを使用。
先月は新しいルールが始まったばかりで、各々が試行錯誤の状況であり、色々な禁伝軸がいた。
一方、今月は前期の上位構築を広まり、淘汰され、強い禁伝軸のみが生き残った印章。また、使用率上位のポケモンのテンプレも概ね決まっており、結果として対策範囲は狭まり、個人的には対策しやすくかった。
よく言われていることだが、ポケモンにおいて有利対面を作り出して、そのまま勝てるのはほぼ無理。大抵不利な相手に交換される。
普通のパーティであれば、安定行動と交換読みで先に相手のサイクルを崩壊させて勝つのが常套手段とされている。
しかし、タイプ統一ではサイクル戦はほぼ不可能。
そのため、対面構築や壁展開からの積み構築しかない。
相手が交換せず、目の前の敵を倒すにはどうしたらいいか。
個人的な回答として得られたのが、「相手に有利だと思わせて、逆転すること」。
がむしゃらや弱点保険はそのような展開を作りやすいので重宝していてる。
【使用パーティ】
【編成経緯】
前述の通り、今期の環境には以下の強い禁伝軸のみが生き残っており、各軸への対策を強化し、使われなくなった禁伝軸の対策は切ることにした。
・ザシアン軸
・ムゲンダイナ軸
・黒馬バドレックス軸
・カイオーガ軸
・イベルタル軸
・ゼルネアス軸
体感的に上4つの禁伝軸が全体の90%以上を占めている気がした。結果論というか、終わってみてから見直してみると、本構築はメジャーな4つの軸に対して、勝ち筋や強い立ち回りをきちんと設けており、それが好成績を残せた要因と思われる。
先月からの構築の変更点は以下となる。
ムゲンダイナ軸、なかでも受けルの増加を受け、ハメ性能の高いヤミラミに変更。シリーズ10環境で1ヶ月潜ってきたので、相手の交換のタイミングがわかってきたのも追い風。
サンダーで詰むことが多かったので、逆にサンダーを起点にすることにした。打点として悪の波動が欲しい場面が多く、腐り気味だった熱風から変更。また、イベルタル対面やレヒレ対面で強くなれるため、オーバー気味のBからDへ努力値を割いた。
【個別紹介】
①オーロンゲ
NN:Titan
性格:いじっぱり
特性:いたずらごころ
持ち物:こうかくレンズ
努力値:H148 A252 B84 C0 D4 S20
実数値:189-189-96-x-96-83
H:珠ダメ意識の10n-1、A:ぶっぱ、S:S4振バンギ抜き
技構成:ふいうち、じゃれつく、パワーウィップ、でんじは
麻痺撒きの仕事人(相棒)
前期から引き続き、確実に麻痺を撒く仕事人の相棒。
オーロンゲといえば壁構築を連想するため、ラグラージのあくび、バルジーナの毒々、ガラルファイヤーの悪巧みなど、相手の悠長な行動に対してワンパンできるムーブが強かった。
やはり麻痺はポケモンにおいて最凶の状態異常。
ザシアン軸:ザシアンへの麻痺巻きとして投入するケース。ロンゲ+ラオス+イベル選出にて、3体がかりでザシアンを討ち取り、残りの敵はイベルタルで無双するのが勝ち筋。
ムゲン軸:ムゲンダイナのダイマ砲受け+麻痺巻き+バルジーナ対策として投入するケース。シザリ+ロンゲ+イベル選出で、電磁波+悪の波動でムゲンダイナ軸へストレスを与える。
黒バド軸:バンギ、悪ラオスに強い駒として投入ケース。黒バド軸は悪対策が厚いので厄介。
イベル軸:イベルタルキラーとして投入。ただし、イベルタル以外の取り巻きに弱いため、相手のイベルタルをオーロンゲで処理する勝ち筋を掴むのが重要だった。
②ヤミラミ
NN:Taboo
性格:ずぶとい
特性:いたずらごころ
持ち物:たべのこし
努力値:H252 A0 B44 C0 D212 S0
実数値:157-x-111-x-112-70
H:ぶっぱ、B<D:DL意識+身代わりがc無振りドヒドイデの熱湯耐え
技構成:ナイトヘッド、身代わり、金縛り、アンコール
耐久殺し
シーズン20まで愛用していた、かなしばアンコのハメ戦術を得意とする軍師。
かなしばアンコのハメ戦術はシリーズ18の記事を参照。
シリーズ20まではダイマックスによってかなしばアンコが無効にされやすかった反面、こちらのダイマックスで先に数的有利をとったり、相手にダイマを強制させたりするムーブ自体が強かった。
現環境ではダイマックスがない分、アンコールの危険性をプレイヤーが認識している点、相手との交換択が多くなる点、ボルトチェンジやとんぼ返りに弱い点があり、現環境のサイクル戦には不向きと考えていた。
それでも採用に至った理由としては、格闘の一環を切れることと相手との交換択に筆者が慣れてきて、使いやすくなったことである。
シリーズ20までは後詰めであったが、現環境では相手の動きを制限して、こちらの勝ち筋を通す補佐役としてうまく機能した。
アンコール:身代わり、身代わりに対する状態異常、ザシアンの電光石火+インファイト、ゼルネアスのジオコン
かなしばり:こだわりアイテム持ち、ガラルヒヒダルマ
ザシアン軸:ザシアンの電光石火+インファイト受け、ウオノラゴン封じ要因。シザリ+ヤミラミ+ガエン選出。悪ポケがいたらほぼ出さない。
ムゲン軸:受けル気味の構築にはハメ戦術要因として投入。膠着化するのでTODを最初から考慮しておく(スマホで時間を測る)。悪ポケがいたらほぼ出さない。
オーガ軸:こだわりアイテム持ちのオーガやナットレイ対策。悪ポケがいたらほぼ出さない。
ゼルネ軸:ジオコンやこだわり眼鏡ゼルネアスへの対策。ジオコン読みヤミラミ読みムーンフォースを結構やられて辛い。
③シザリガー
NN:Crush
性格:やんちゃ
特性:てきおうりょく
持ち物:きあいのタスキ
努力値:H0 A252 B126 C0 D0 S132
実数値:138-189-121-x-54-92
S:S4振り70族抜き
技構成:クラブハンマー、はたきおとす、アクアジェット、がむしゃら
ジャイアントキリングザリガニ
先月に引き続き、定番のがむアクジェ型。
語るまでもなく、辛い敵のごまかしとして最強。
最近の傾向として、ゴツメレヒレが減って使いやすくなった。
ただし、強い相手にはがむしゃらがばれており、ザシアンやカイオーガ→ゴツメサンダーなどに素引きされて、終わるケースも多い。がむしゃらではなく、クラブハンマー選択も一考する必要がある。
Bの努力値は振りすぎな場面もあるが、意地っ張りマンムーの地震+氷の礫を耐えたり、ナットレイのボディプレ+鉄の棘ダメを耐えたりと、一長一短。
④ガオガエン
NN:Heel
性格:わんぱく
特性:いかく
持ち物:ゴツゴツメット
努力値:H252 A4 B228 C0 D4 S20
実数値:202-136-152-x-111-83
H:ぶっぱ、S:S4振りバンギ抜き
技構成:フレアドライブ、かわらわり、とんぼがえり、ちょうはつ
ザシアン専用クッション
ザシアンに対する後投げクッションとして続投。ザシアンの噛み跡でボロボロ。
ゴツメダメージ1回とフレアドライブでASザシアンを確1。
じゃれつく+インファイトを残念ながら耐えないため、安易な受けだしは禁物。
ちなみにきょじゅうざん+インファイトは耐える。
威嚇を入れることで後続のイベルタルがザシアンのじゃれつくを耐えれるようになるが、イベルタルは熱風を持っていないため、ガオガエンで処理する立ち回りが必要。
ザシアン軸:相手の軸となるザシアンを機能停止にするためほぼ必須。シザリ+ガエン+イベル選出により、初手ザシアン、終盤ザシアンのどちらにも対応する。ザシアン軸はザシアンさえ倒せれば、イベルタルで巻き返せるので、シザリとガエンでザシアンを倒すことが唯一の勝ち筋。
黒バド軸:ナット、バンギ、ガラルヒヒダルマへの対策。ロンゲ+ガエン+ラオスorイベル選出
ゼルネ軸:壁張りのオーロンゲやクレッフィ対策。ガエン+シザリ+イベルorヤミラミ選出
⑤ウーラオス
NN:Blow
性格:ようき
特性:ふかしのこぶし
持ち物:こだわりハチマキ
努力値:H4 A252 B0 C0 D0 S252
実数値:176-182-120-x-80-163
技構成:インファイト、あんこくきょうだ、どくづき、ふいうち
脳筋フィニッシャー
オーロンゲによる電磁波サポートからの上から殴る展開を作ると相変わらず強かった。
鉢巻きによる火力はエグいが、バンギラスなどの有利対面において、相手の交換を読むのが苦労した。
マリルリorアシレーヌ+バンギラスに対してラオス+ロンゲで強く出れた点も優秀。
不意打ちはPPをあえて7にすることで、こだわり鉢巻きと判断した相手が、PPを枯れるの待っている際に予想外より早く悪あがきを打つことができる。
ザシアン軸:麻痺させたザシアンを削る打点。ナットレイやランド、サンダー対策。ロンゲ+ラオス+イベル、ラオス+ガエン+イベル選出
ムゲン軸:麻痺させたムゲンを削る打点。受けル構築ではドヒドイデ、エアームド、ラキハピ、バルジーナにも負荷をかけられるが、読みと立ち回りが難しい。
黒バド軸:バンギラス、ナットレイ、ランドロス対策。黒バドのドレインキッスで死ぬが、ほぼ選出できないので問題ない。
オーガ軸:ゴツメサンダーやナットレイ対策。スカーフオーガに対するこちらの引き先がいないので、オーガ対面は不意打ちで退場し、イベルタルに全てを託す。
⑥イベルタル
NN:Death
性格:ずぶとい
特性:ダークオーラ
持ち物:じゃくてんほけん
努力値:H252 A0 B116 C0 D140 S0
実数値:233-135-143-151-136-119
H:ぶっぱ、B:陽気ヒヒダルマのつらら落とし耐え
D:ムゲンダイナのメテオビーム耐え、眼鏡エレキのボルチェン耐え
不利対面を覆す移動要塞
本構築の切り札であり、大体の勝ち筋。
弱点保険を発動させ、デスウィングで回復することで形勢逆転し、数的不利を覆すことが可能。
弱点を喰らうことでデスウィングの回復量が上がるのがズルすぎる。
ほとんどの相手がCS想定で動くため、勝利を確信した場面でイベルタルが攻撃を耐えた時の相手の驚愕、そして弱点保険発動からのデスウィングによる絶望は想像にたやすい。
壁ロンゲからの弱点保険の方が強そうに思うが、壁貼り展開では容易に弱点保険が想像でき、簡単にケアされるため、自分には使いこなせないと考えている。
B特化でもザシアンのじゃれつくは乱数耐えのため、過剰気味だった物理耐久から、特殊耐久に努力値を回すことでより動かしやすくなった。
(何気にBは性格補正が最高効率)
D振りによってレヒレ、イベル、メタモンとの回復技合戦で有利になる場面が増加した。
さらに多くの電気ポケモンのボルトチェンジを耐えるようになり、弱点保険を発動させて、交換先にデスウィングを当てる動きが強力だった。
また、素の熱風では火力がなく、ザシアンにも弱点保険を発動させないと倒せず、机上論であったため、熱風の必要性がなくなった。
物理に大きく偏っている本構築では、以前から物理受けサンダーで詰みやすく、弱点保険発動後でも羽休めで熱風が受け切れられてしまうことから、悪の波動を採用。弱点保険発動でHBサンダーを8-9割削れるエグイ火力を出し、逆転する場面が大きく増えた。
アッキサンダーは放電採用のため、悪の波動が安定であり、ゴツメサンダーはボルチェン採用のため、交代先が回復ソースとなるデスウィングを打つのが安定だった。
悪の波動の副次効果として、前述のオーロンゲの電磁波と組みわせることでまひるみ戦法を仕掛けることもでき、特性を無駄なく発揮できた。
ザシアン軸:ザシアン処理後の逆転の一手として採用。
ムゲン軸:麻痺させたムゲンダイナをいじめる役。バルジーナやドヒデイデにも挑発で強く出れる。
黒バド軸:バンギラス以外がイベルタルに弱いときに選出。バンギラスを先に倒すことが必須。
オーガ軸:サンダーやナット対策。眼鏡オーガの雷も耐えて、デスウィングor不意打ち+不意打ちで落とせることも可能。大抵、不意打ちケアで潮吹きではなく、雷を打ってくれるが、根源の波動だと負ける。
イベル軸:イベルタルミラーが辛いから出したくない。ただし、霊獣ランド、コケコ、ポリ2など、弱点保険を稼働させる攻撃技を持っているポケモンがいれば選出も可能。
ゼルネ軸:ほぼ出せないが、出せる可能性はある。臆病ゼルネアスのムーンフォースを耐えれるので、アクアジェットで削り、ヤミラミでムーンフォースをアンコールしてから、弱点保険を発動させてデスウィング+不意打ちで倒したことはある。
【後語り】
お読みいただき、ありがとございました。
今シーズンも良い成績を残すことができて、満足です。
前回と違い、環境が固まってきたことあり、明確な勝ち筋を得ることができたのは大きな進捗でした。
来シーズンはメトロイドドレッドをやりたいので、ランクマは休むかもしれません。